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<ニュースエコー 2018年10月23日>

雫石町の山あいにある大村地区では、少子高齢化が進む地域の未来を住民が模索しています。収穫の秋、地域のシンボルでもあった小学校の跡地で行われたイベントに密着しました。

地元で採れた野菜やコメに、高齢者サークルで作った手芸品などが並びます。10月14日、雫石町の旧大村小学校で行われた秋の収穫市です。
雫石町大村地区
雫石町南部、西和賀町との境に接する大村地区。人口316人。畜産と稲作が中心の山あいの集落です。人口に占める65歳以上の割合を示す高齢化率は42.4%、県平均より10ポイント、町の平均よりも約7ポイント上回って、高齢化が進んでいます。少子化も深刻で去年3月には小学校も閉校しました。
「収穫市」の様子
その小学校の跡地利用を考える中で始まった「収穫市」は、今年の春、夏に続いて3回目の開催です。10月13日、14日と2日間開催された秋の収穫市。午前9時の開始とともに、大勢の人たちが大村地区自慢の地域の恵みを買い求めます。
地元産にこだわったメニュー
一方、給食室だったスペースは、食堂に。芋の子汁や大福など地元産にこだわったメニューの他、それぞれの家から持ち寄った10種類の漬物が、バイキングスタイルで提供されました。

(盛岡からきた家族)
「祖父や祖母の実家がこちらだったので、小学校にも遊びに来たことがあった。懐かしいと思って来てみました」
「とてもいい機会に触れさせてもらって、いい思い出になりました」
「楽しかった。(何か美味しいの食べましたか)漬物!」

(これは何ですか?)
「コウタケって言って、学名じゃないけど『バクロウ』っていうんだ。(立派ですね)立派ですよ。(この辺りで採れたものですか)そうだよ」
大村地区はキノコの産地
見事なコウタケを持ってきたのは、地域住民でつくる旧大村小学校利活用実行委員会の伊藤登志成委員長(61)です。森林資源に恵まれた大村地区はキノコの産地。売り場には天然マイタケや原木ナメコなどがずらりと並んでいました。食堂、売り場とも大盛況の中、伊藤さん、今度は焼き芋に使う薪の作業です。
旧大村小学校利活用実行委員会 伊藤委員長
(伊藤さん)
「(結構委員長は裏方なんですね)裏方さ。裏方が頑張らねえば、あとの人たちも頑張らないんだよ。下手なこと、ああやれこうやれというものでねえんだ。イモ?まだだ~。神楽もう一番あるから、そのあとで」

収穫市の開催まで、地元では何度も話し合いを重ねてきました。去年12月、町から地区に対し、「廃校となった旧大村小学校を地域コミュニティの核として利活用していきたい」という方針が示されました。当時、伊藤さんは大村地区の行政区長を務めていました。

(伊藤さん)
「私はあんまり最初は…。まあ、子供がいないし、閉校になってそのままなんだなと思ってましたけど、集落の人たちから『何とかすべ』と。その時、たまたま私、区長やっていたので、『区長さん声かけて、みんな集めて相談せねば』と言う人たちがいて。であれば、やってみるかと」
実行委員会、話し合いの様子
その過程の中で生まれたアイディアが、地元の特産品を販売して地域を発信する収穫市でした。9月28日、収穫市直前の実行委員会です。学校の活用から地域の活性化へとつながる話し合いは10回以上にも及び、皆、忙しい合間を縫って参加してきました。

収穫市で出すメニューの試食から将来的な利活用の具体策まで、話し合いは長時間に及びます。一方で、伊藤さんはあくまで聞き役に徹します。


(伊藤さん)
「色んな意見があるでしょ。やっぱりみんなでやらねば、面白みが出ねえでしょ」

みんなで作り上げる収穫市。重ねた話し合いは一人一人の主体性も育みました。

一方、行政側も住民の自主的な取り組みを大切に考えています。
町の地域づくり推進課 柴田さん
「きのうは一日で220人。きょうは今の時点で218人、あと少しできのう一日の来場者に並びます」

町の地域づくり推進課、柴田慈幸さんです。

「手間もかかるんですけど、やっぱり自分たちのモノになるので。結局、やっていく中で『役場が決めたんだ』とならないような、地元として『自分事』にしていくことが大事だと思います」

時間をかけながら、「地域」が自らの力で、少子高齢化が進む地域の「未来像」を模索しています。

「よし、焼けた!」

さて、収穫市では、伊藤さん。待ちに待った焼き芋が焼けました。

「はい、お客さんお待たせしました。焼けてなかったら次回来た時にサービスします」

手探りで始めた収穫市も、3回目。今後に向けたヒントは見えたのでしょうか?
地域づくりの主人公は住民たち
「(手ごたえはどうですか)上々だと思います。今年はいきなり始まったので、来年は集落の人たちに、時期に会った野菜を出してもらうようにすれば、夏場にもモノが出せるんじゃないかなと考えています」

地域づくりの主人公は住民たち。少子高齢化の進む大村地区で始まった、地域の未来を探す取り組みは、ゆっくりと、しかし、確実に進んでいます。
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