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<ニュースエコー 2018年9月18日>

4月の放送で、学校の統廃合により地域の拠り所を失い、今後のつながりを考えようという雫石町での取り組みをご紹介しました。今回はその後についてお伝えします。9月16日、多くの住民が参加した大運動会が開かれました。

運動会準備に追われる地域の人たち
 今年3月、雫石町立西根小学校が144年の歴史に幕を下ろしました。かつて300人を超えた児童数は昨年度は44人にまで減少。閉校した今、校舎に子供達の声が響くことはなくなりました。

16日、閉校した学校からテントを運び出す地域の人たちの姿がありました。西根小学校で最後のPTA会長を務めた櫻田一也さんです。この日行われる運動会の準備に追われていました。
3つの小学校が統合した雫石町立西山小学校
 雫石町北部の西山地区では、今年春、児童数の減少で西根、上長山、下長山の3つの小学校が統合し、「西山小学校」として新たな歴史を刻み始めています。去年まではそれぞれの学校で地域住民と子どもが一緒に参加する「地区民運動会」が開かれていて、地域の絆を深める機会となっていました。櫻田さんたちは学校統合後もそうしたつながりを絶やしたくないと西根、上長山、下長山の旧学区単位で競い合う「にしやま大運動会」を企画したのです。

 運動会の会場は旧上長山小学校。西根小学校と同様、現在校舎は使われていません。運び込んだテントの準備も出来たところで、櫻田さんは思わず不安を口にします。

 (櫻田さん)
「一番の心配は、一応『やりますよ』と周知はしたんですけど、どれくらいの人が集まってくれるのか…」
関係者は、10回以上の話し合いを重ねた
「にしやま大運動会」を開くにあたっては、PTA、地域住民などが集まり、実に10回以上の話し合いを重ねてきました。日程はいつがいいか?学校の運動会と同じ日に開催できないか?どんな競技がいいか?開催に向けて丁寧に話し合いを重ねる一方で、櫻田さんは学校という地域の拠点がなくなったことによる変化を感じていました。

(櫻田さん)「つながりも、きょう話しあいをしてみて、結構薄れてきたなということを思った以上に感じて。危機感というか、心配だなというのは出てきましたけど」
秋晴れの下、多くの人たちが集まった
 運動会の会場には櫻田さんの心配をよそに、たくさんの人たちが集まってきました。

(櫻田さん)「いやスゴイ、ビックリしますね。(頑張ってください)はい。いや~ホッとした」

この日は中学校の新人戦など行事も重なっていましたが、蓋を開けてみれば予想を上回る盛況ぶり。秋晴れの下、様々な競技に熱戦が繰り広げられました。
ユニークな競技で盛り上がる
 風船割り、ムカデレース。小さな子どもからお年寄りまで参加できるようにと、運動会には珍しいユニークな競技も実施されました。

 「8月31日現在の西山地区の人口は(え~?!)3382人である。マルかバツか?」

 西山地区についての問題に答える、名づけて「西山検定」。全問正解者が多かった西根地区が得点を稼ぎました。何度も何度も話し合いを重ねてきた運動会。沢山の人たちが汗を流しいっぱい笑顔が広がりました。

 (参加者)
 「いいですね(笑)。今、集まることないじゃないですか。こういう賑やかにならないと何にも始まらないんだよね」
 「自分の子供たちは大きくなったので、なかなか運動会に行く機会もなかったんですけど、久しぶりに小さい子供たちの走る姿はすごくいいなと思いました」

 (櫻田さん)
 「自分と、この学校閉校して新しい学校行ったせいで、地区の方とつながり離れるのが心配していたとこだったんですけども、小学校の子供達とかその親御さんたちに地域の方が気にして目をかけてくれていると、やってみて集まり見て感じました」
「本気リレー」に、応援も出場者も力が入る
 最終競技は地区の若者による、その名も「本気リレー」です。

 そして第1回の「にしやま大運動会」は、上長山地区が優勝に輝きました。櫻田さんの西根地区は残念ながら3位でしたが、子供達、親たち、お年寄りの、変わらない地域の絆を実感した一日でした。

(櫻田さん)「いや~正直ホッとしているというのが第一番ですね。最初は先が見えない、初めてやる運動会ということで、何から手をつけて良いか分からなかったんですけども。3地区のPTAとか地域の人と集まりながらの話し合いだったので、逆に今まで話したことのない人と意見をぶつけられたというのも、私の中で良かったと思いました。企画してよかったと感じました」


 少子高齢化、人口減少に学校の閉校。地域の絆の危機に皆が手探りで向き合った取組みは、世代を超えた、より確かな絆を未来へとつなぎます。
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