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<ニュースエコー 2018年9月4日>

シリーズでお伝えしている「人口減少社会の希望」です。それぞれの地域が帰省した若い世代で賑わうお盆。人口減少が進む一関市の京津畑地区ではお盆にあわせて次の世代に故郷の記憶をつないでいこうと地域の人たちが取り組んでいます。


 一関市大東町京津畑地区。10年前には160人以上いた集落の人口は今年、120人を割り込みました。それでも、お盆はお墓参りに帰省した人たちでひとときの賑わいを見せます。
自治会の副会長を務める伊東さんとご家族
 自治会の副会長を務める伊東光浩さん、60歳です。今年5月、母親のフユ子さんが亡くなり初盆を迎えました。今年に入って京津畑では先月までに4人のお年寄りが亡くなっています。伊東さんの家では3人の娘のうち上の2人は結婚し、長女は千葉県、次女は一関市の中心部で暮らしています。

 (伊東光浩さん)「(ここに入る人は誰までになりそうですか?)俺と…俺夫婦ですよね。はっきりしているのはそこまでですよね」

 自分たち夫婦が死んだ後お墓はどうするのか…。山あいの集落のどの家にも共通する重い課題です。
お盆は、皆が集まり賑やか
 伊東さん夫婦と3女の3人暮らしの家に、長女と次女が家族連れで帰ってきて、総勢12人。賑やかなお盆です。なかなか休みが取れない娘たちに代わって伊東さんの妻・靖子さんが面倒の大半を見ました。

 (靖子さん)「もう布団かけが大変でしたね。真っ直ぐ寝ないからね。布団はぐし。お風呂も一緒に入って、楽しかったです」
 (孫)「寂しいでしょ?」
 (康子さん)「寂しい(笑)」

 長女の斐(あや)さん。千葉県で夫、子供三人との5人暮らしですが、盆と正月は欠かさず帰省しています。京津畑を離れたことに申し訳なさを感じています。
京津畑の20歳ごとの人口分布
 京津畑の20歳ごとの人口分布です。80歳以上、60歳以上が多いのに対し、斐さんのような子供を産み、育てる中心となる20代、30代は極端に少なくなっています。

 (斐さん)「(若い世代、息子娘の世代が残らないのはどうしてだと思いますか?)…不便。すごく住むには良いところだと思うんですが…」

 (光浩さん)「俺たちは例えば同年代が十何人とかまとまっていたでしょ。その不便よりも仲間との関わりというのが良くて残ってる。この人、同級生…一人だけなんですよ。斐一人しかいなかった」
旧京津畑小学校「交流施設 山がっこ」
 伊東さんが親子ともに通った京津畑小学校。12年前に閉校し、現在は交流施設「山がっこ」として地域の拠点となっています。伊東さんが通った当時は同じ学年に12人いたのに対し、斐さんの学年は斐さんたった一人でした。しかも、その下2年間は新入生がいませんでした。
 
 (斐さん)「授業になると一対一だったので、それが一、二年生の時はすごいいやだった。多分、どうしてよいか分からなかったので、ずっとしゃべらなかった記憶しかない」
 (光浩さん)「減るのは分かってたけど、こんなに急に減るっていうのは想像してなかったというか」

 親から子の世代に移る中で急速に進んだ京津畑の人口減少。伊東さんは離れて暮らす孫たちにも京津畑の暮らしの魅力を伝えたいと考えています。

 (光浩さん)「今は三番目が家にいるから。まあ、どうなるか分からないですけどね。まあ、こういった人たち(孫)がここを良く思ってくれて、『ここに住みたい』みたいになってくれたらいいなという思いもチョット。」

 (孫・大ちゃん)「(夏休み何が楽しかった?)(カブトムシでしょ?)山がっこでドッジボールするのが楽しかった」
手作りの盆踊り
 その日の夕方、「山がっこ」に盆踊りの準備をする伊東さんたちの姿がありました。

 (光浩さん)「(盆踊りは何年続いている?)40年近い分かる範囲で。子供たちに『楽しみにしているよ』なんて言われると、やめるわけにいかないですよね」

 露天商も来ない山あいの集落ですが、かき氷も焼きそばも流しそうめんも全て手作りで帰省客を迎えます。

 (斐さん)「小っちゃい頃はうちのお父さんが氷屋さんやってたんですけど、そのお手伝いで3人(姉妹)で楽しかった」

盆踊りの様子を映像と音で見せる束の間とはいえ各世代が集い賑わいを見せた京津畑。盆踊りが終わると、またいつもの静かな京津畑に戻ります。人口減少が止まらない山あいの集落で故郷を思う気持ちが親から子へ、そして孫へ受け継がれていきます。
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