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<ニュースエコー 2018年8月7日>

山あいの集落に海外から高校生の団体客が訪れました。戸惑いながらも温かく迎える地域の人たちと、インバウンドを仕掛けた旅行会社の思惑を取材しました。

旧京津畑小学校『交流施設 山がっこ』
 一関市北部、奥州市との境にある大東町京津畑地区。地域の中心となっているのは、閉校した小学校を活用して2011年に誕生した交流施設「山がっこ」です。昭和の雰囲気が残る学び舎は、地域の交流施設としてだけでなく大学生の研修などを受け入れる宿泊施設として生まれ変わりました。毎年200人前後の宿泊客を受け入れています。

 自治会長の伊東鉄郎さんです。何やら落ち着かない様子です。

(伊東鉄郎さん)
「いいでしょ、ねえ。(いいね、最高だね)インターナショナルになったね!」

 インターナショナル? 実はこの日、山がっこ始まって以来、初めての外国人宿泊客を迎えることになったのです。
夕食のメニューは京津畑自慢の味
 夕食に腕を振るうのは、地域のお母さんたち。メニューはお餅や豆腐田楽などいつも通り。京津畑自慢の味ですが、海外からの客人の口にあうのでしょうか。

 落ち着かないと言えばこの方も。当番制でこの日の宿直となった菊池宏さんです。

(菊池宏さん)
「自分の日本語と英語を訳して」

 館内の説明を英訳したものを準備して特訓です。
 
(菊池さん)
「お風呂ですか?お風呂はね~ The bath is on the 2nd floor. 2階にあります」

 初めての外国人客にみんなそわそわワクワクです。
外国人宿泊客を迎えるのは初めて
 夜7時半、バスが到着しました。この日の宿泊客は日本語や日本文化を学ぶため短期留学しているアメリカやメキシコの高校生15人の団体です。

(伊東さん)
「は~い、こんばんは。(こんばんは、おばんです)おばんです。日本語上手だね。おばんです。(はい、おばんです)はい、いらっしゃいませ」

 さすが日本語や日本文化を学んでいる高校生。しっかりと日本語でコミュニケーションをとっています。山がっこは気に入ってもらえたのでしょうか?

(高校生)
「この部屋はとっても日本の文化ですね。とっても面白いと思いますね。そして、良く寝ると思います」

 宿直の菊池さん、緊張しながら館内の説明をします。
 
(菊池さん)
「My name is Hiroshi Kikuchi.I am a sub manager here.OK? 」

(高校生たち)
「よろしくお願いします」
高校生たちにメニューの説明を
(伊東幸子さん)
「てんぷら、その下、豆腐田楽、味噌味」

 言葉が分からなくても、身振り手振りを交えながら精一杯伝えます。

(高校生一同)
「いただきま~す。」「美味しい。お~美味しい」

 国は違えど食べ盛りの年頃。お母さんたちの手料理を美味しそうに平らげていきます。しかし・・・。こちらの高校生、イワナの甘露煮に手を付けられずにいます。

(伊東鉄郎さん)
「やっぱり食文化だから、ビックリするんだろうな」

(佐藤保子さん・伊東幸子さん)
「やわらかいよ、頭も大丈夫。やわらかい、ソフト。 お~やった~」(拍手)

(高校生たち)
「(How was the food?)美味しいです!」

 言葉の壁も国境も越えて受け入れられたもてなし。互いにとても嬉しそうです。 

(佐藤保子さん・伊東幸子さん)
「初めてのお客さんで戸惑うところもありますし。でも、みんな同じ子供たちで可愛い」

 山がっこ始まって以来の外国から宿泊客を迎えた夜は、初めての戸惑いと喜びに溢れていました。

再び外国人宿泊客を迎えて
 先月末、この日も再び外国人の宿泊客がやってきました。前回と同じ教育プログラムに参加している高校生たち。今度はアメリカ、シンガポール、ドイツなど5ヶ国からの20人です。迎える京津畑のお母さんたちも前回よりも硬さがとれたようです。

 山あいの集落と海外の高校生のマッチング。企画したのは一関市の旅行会社「イーハトーブ東北」です。東北地方へのインバウンド誘致を図り、今年設立した会社です。山がっこや京津畑の魅力をこう語ります。
 
(松本数馬社長)
「やはり一番はお母さんたちが作る料理じゃないかなと思います。これは外国の方にも十分通じうるものだと思います」

 松本さんは京津畑の食文化に加え、もう一つの売りは精一杯もてなそうとする地域の人の温かさと言います。

(松本社長)
「人に会う旅行とか、人と触れ合う旅行というのは、やはりその人にもう一度会いたいということでリピートになる可能性がぐっと高まると思っていまして、すごく今回の旅行にもマッチすると思っていました」
希望を感じる「山がっこ」の国際交流
 海外からの客が京津畑の味を堪能している頃、近くに住む佐藤さん一家が山がっこを訪ねてきました。小学5年生の佐藤菜津実さん、習いたての英語を披露したくてやってきました。
 
(菜津実さん姉妹)
「My name is Natsumi Sato. Haruka. Welcome to Kyotsuhata. Thank you very much.」

 菜津実さん、妹の遙香さん初めて外国人に英語で挨拶ができました。

(菜津実さん姉妹)
「(外国のお客さんが来るとどう?)楽しい。(これだけ沢山の外国人を見たのは?)はじめて」

(伊東鉄郎さん)
「言葉とかは色々違うかもしれないけど、何か通じるものがありますね。国際交流というのはこんな山がっこ山の中にいても出来るんだなと、すごく嬉しく思うし」

 これまで考えても来なかった外国からの宿泊客。人口減少が進む集落にあって、外の人々とのつながりは希望そのものです。
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