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<ニュースエコー 2018年5月29日>

 人口減少社会の希望を探るシリーズです。5回目は、教育旅行の受け入れで交流人口の拡大を目指す久慈市の取組みです。エネルギーあふれる子どもたちの受け入れは地域の活力につながっていました。

 北上山地の新緑と清流の水しぶきを全身で浴びながら、コウモリや鍾乳石が出迎える鍾乳洞での大冒険。都会からきた子どもたちが豊かな大自然と地域ならではのもてなしを満喫する教育旅行プログラムです。

 久慈市南部に位置する山あいの山形町は久慈市と合併する前の年2005年から首都圏などから教育旅行の中学生を受け入れてきました。北上山地の自然が育む山村の魅力が人気を集め毎年1500人前後が訪れています。

 今月24日─この日は神奈川県横須賀市の久里浜中学校の3年生251人がやってきました。5つの体験プログラムに分かれ、大自然をフィールドに心と身体を開放しました。
内間木洞
 こちらは地元の名所である内間木洞を探検するグループです。内間木洞を知り尽くす住民、内間木美治(よしはる)さんに案内され国内有数の長さと言われる鍾乳洞を探検します。最初は緊張気味だった中学生も時間と共に興奮そして歓声です。そんな表情を見つめる内間木さんも嬉しそうです。
内間木さん
(内間木美治さん)「最後でる時はみんな楽しんで喜んでもらえるのが一番の楽しみです。嬉しい顔見られるのが」
渓流でシャワークライミング
 歓声と言えばこちらの体験も負けていません。内間木洞に注ぐ渓流でシャワークライミングです。およそ200m─びしょ濡れになりながら沢をのぼります。

 久慈市の教育旅行は常連校が多く、この久里浜中学校も2006年から震災のあった2011年を除いて毎年訪れています。その最大の魅力とは大自然のふところに抱かれた子どもたちが感情を表現する所だと言います。
引率の先生
(引率の先生)「普段見られないというか、この自然だからこそ引き出せた笑顔とか、すご良い経験だと思います、子ども達には」

(中学生)「岩手に来てシャワークライミングしてよかったです。大人になってもう一回やりたいです」
インストラクター「ヒゲさん」と一緒に
 都会のテーマパークとは違った田舎ならではの魅力を満喫してもらうために、受け入れ側の久慈市では案内人=インストラクターの育成にも取り組んでいます。「ヒゲさん」の愛称で人気の下舘一樹さんもその一人です。地元の魅力を味わってもらえることにやりがいを感じています。

(下舘インストラクター)「楽しそうでよかったです。僕も楽しかったです。僕も今の仕事する前までは特に興味もなく過ごしてきたので。この仕事はじめて地元の良さに気付いたこともありますし」
平庭山荘 下舘さん
 教育旅行は受け入れ側の人材育成、何より地域の活力につながります。中心になって教育プログラムを運営している下舘満吉さんです。熱心に取り組む背景には深刻な人口減少がありました。

(下舘満吉さん)「昭和30年代、人口8千人を超える山形村。これが合併するときには3千人を切るような人口になってきたということで。村を元気にしたい」
人口減を表すグラフ
 かつて7600人余りだった旧山形村=現在の山形町の人口は現在およそ2500人、1/3にまで減少しています。年間1500人近くが訪れる教育旅行は交流人口拡大の大きな切り札なのです。
民泊で手作りのもてなし
 宿泊では地域の一般家庭に泊まる民泊が定番のスタイルです。谷地考太郎さんのお宅では取り組みの当初、11年前から民泊を受け入れています。この日も5人の女子生徒を受け入れました。孝太郎さんがとってきた山菜と自家製のアスパラを恵美子さんが調理。手作りのもてなしです。

(民泊した中学生)「クマが冬眠して跡を着けたのがあると聞いて行ったら、ちゃんとあって。その奥に洞窟みたいなの繋がっていて」
 
 子どもたちは体験の様子を嬉しそうに話し交流のひと時を過ごします。

(受け入れ先の家庭)「毎回、毎回いろんな子供たちが来るのが楽しみです。みんな明るいし。楽しかったってみんな帰ってくれるのが一番うれしいです」

(中学生)「家と違って脂っこいモノが少ない。おばちゃんやおじいちゃんの家って、日本のこういうのが多いから好きです」
バーベキューで中学生をもてなす清水さん
 食べ盛りの男子中学生をバーベキューでもてなすのは清水恭一さん。山形村時代の最後の村長です。

(バーベキューをする中学生)「東京とか神奈川だとビルとかが一杯で、木があんまりないし。シラカバの木がメッチャきれいで。(一番上まで行けた?)行きました」

 この日のために奮発して用意した短角牛をモリモリ食べる中学生に清水さんもやっぱり…嬉しそう。そもそもこの教育プログラムは清水さんが村長時代子供会など小規模な団体の受け入れから始めたプロジェクトだったのです。

(清水元村長)「やっと定着したというのは、久里浜みたいに10年以上来てくれるのは感慨深いものがあります。希望、夢の塊みたいな若い人たちがこの村に来てくれるのは、何よりの地域の元気の源だと思います。本当にうれしいです」
久慈市山形町の教育プログラム
 地域の魅力を都会の子どもたちに知ってもらい、住民自身もふるさとの良さを再発見する久慈市山形町の教育プログラム。人口減少が進む地域が受け入れているのは中学生の「元気」と地域の未来の「希望」でした。
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