新型コロナ第7波 スタッフのカバーどこまで・・・医療現場の窮状/岩手・盛岡市
岩手県立中央病院の宮田剛院長が、病院内の窮状を伝えるデータを見せてくれました。
(県立中央病院 宮田剛院長)
「ちょっと見ていただきたいことがあります。(これ何を示している?)自宅待機職員数のグラフです。7月の中旬ぐらいからですね、またこれがグーッと増えてきてると。今現在60人弱が出てこれない状況になっていると」
これはある病棟の7月の勤務表です。新型コロナへの感染や濃厚接触により自宅待機となった職員のカバーのため、訂正で真っ赤になっています。
(宮田院長)
「夕方に熱が出て夜勤ができない。検査をすると抗原プラスであると。あるいはPCR陽性であるというようなことが起こると夜勤をする職員がいなくなり、違う人をあわててそこに充てなければなというようなことがしばしば起こってきている」
いくら感染対策を講じていても医療の現場だけでなく家族や周囲の人からなどあらゆる方向からの感染リスクにさらされているのが第7波の特徴といいます。こうした事態を受けて県立中央病院は12ある手術室のうち8室だけを使用するBCP=業務継続計画を実施しています。宮田院長は苦しい現状に理解を求めるとともに、限られた医療資源を有効に活用するためにも手順を踏んだ診療の重要性を訴えます。
(宮田院長)
「コロナを疑うような病状が出たときにどうすればいいのか、いきなり救急車に乗って急性期病院に行くというようなことはやめていただきたいとか、そうじゃなくて平日の日中にそういう検査機関を受診していただく、あるいはその前に電話をして、ご相談いただくというような手順を踏んで、みんなの医療資源というのを有効に生かすような、使い方をしていただきたい」
感染拡大の圧力が医療現場にもしみ出すように影響を及ぼす第7波。宮田院長は今後の展開を注視しています。
(宮田院長)
「(岩手県は)感染者の数というよりは、医療の供給体制の方のダウンというか戦力ダウンというのが、全体の医療の逼迫をもたらす因子として特に気にしていなければならない県ではないかと思っております」
医療資源の限られた県内で待ったなしの課題です。