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来年3月にJR山田線宮古~釜石間が経営移管され、南北に分かれていた路線が一本につながる三陸鉄道では、組織の見直しが進んでいます。これまで大船渡市にあった南リアス線の運行拠点の歴史を振り返りながら、未来へとつなぐ運転士たちの思いを取材しました。

(沿線住民)
「すごくおしゃれで、いいですね」
「みなさんにお勧めしたいような気がします。乗ってみたい」

 11月末に行われたJR山田線の駅の見学会。三陸鉄道への経営移管に向けてJRによる復旧工事が概ね終わったことから企画されました。住民の顔には笑みがあふれます。

 一方、同じころ、大船渡市の盛から釜石までの運行を担う南リアス線運行部では「運行部」として最後のミーティングが行われていました。

「年末年始の忙しい時期の新体制で大変だと思いますけども、落ち度のないようにお願いしたいと思います」

 南リアス線運行部、最後の部長を務めた吉田哲さんです。吉田さんは12月、宮古の運行本部に異動しました。三陸鉄道では大船渡から久慈までが1本のレールでつながる「リアス線」の開通に向けて、宮古に業務を集約。南リアス線運行部は「派出所」という名称に変わりました。
震災2年後に復旧した南リアス線 なかなか利用者が戻らない

津波被害からの復旧、しかし・・・


 2011年の東日本大震災による津波で、甚大な被害を受けた三陸鉄道。南リアス線にも運行部の事務所や車両基地に津波が押し寄せ、大きな被害を受けました。

(吉田哲さん)
「ここの事務所は海から2キロ以上離れてる場所なので、これが津波なのかっていうことで本当にビックリしたというか、ちょっと想像も本当にできなかったですね」

 南リアス線の運行が再開されたのは北リアス線の全線復旧1年前の2013年。新車両が大船渡に届きました。

(社員)
「現実味がまだないですよね。あんな事になって、それこそ新しい車両が来るなんて。この辺全部ガレキだったからね、2年前は」

 そして4月3日、盛・吉浜間21.6キロが開通し2年ぶりに地域の足がよみがえりました。

(運転士)
「きょうから運行を再開するので、2年前の気持ちと変わらず安全第一で運転していきたいと思います」

 しかし、課題は山積していました。

(高校生)
「高校生になって毎日乗るようになって、昔はあまり感じなかった三鉄のありがたみが、最近分かってきた」

 喜びの声の一方で…震災前の通勤・通学の混雑とはほど遠い光景です。南リアス線の運休期間中、車での移動が中心になり、利用者が戻りません。

(吉田哲さん)
「みなさま方のご期待に応えるためにも、利便性を高めるようなダイヤの編成とか、ぜひ参加したいっていうようなユニークな楽しいいろんな企画をしてですね、お客さまに楽しんでいただきたい」

 2014年に南北で全線運行再開を果たしたあと、15年ぶりとなる「元日初日の出号」の運行や貸し切り列車で地酒を味わうイベントなど、様々な企画で南リアス線を盛り上げてきました。
新人運転士にも「思い」がつながれていく

「163キロ」がつながることへの思い


「おはようございます。どーぞ」

 そして今、吉田さんたちの思いは若手へと受け継がれています。南リアス線運行部が14年ぶりに養成した新人運転士・伊藤貴思さんです。去年入社した伊藤さんは大船渡市出身。幼いころからの夢を叶え、今年10月、運転士として独り立ちしました。


(伊藤貴思さん)
「お客様の命を預かる仕事っていうので、責任も重く感じてますし、楽しい部分ももちろんありますが、その分責任も多いのでいろいろと大変です」

 伊藤さんを指導したのは運転士歴17年の佐々木光一さん。佐々木さんは伊藤さんに南リアスの歴史、そしてリアス線へと向かう三鉄の未来を託しています。

(佐々木光一さん)
「いずれ指導する立場になった時に、我々が築いてきた安全とかそういった魂を、これから入ってくる新しい子たちにも受け継いでいってもらったら嬉しいと思います」

(伊藤貴思さん)
「一番教わったことはまず安全を第一にと、あとは一番大事なことはお客様の笑顔。これが大事だと強く言われました。もちろんそれは今も心がけて運転しています」

 来年3月、「リアス線」として再スタートを切る三陸鉄道。南リアス線に関わる多くの人たちの思いを乗せて一歩一歩前へと進んでいます。

(吉田哲さん)
「沿線市町村のつながりと人のつながり、これが163キロで、うまく、深く、いつまでもつながっていけるような役割を果たしていきたいと思います」
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