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岩手県によりますと県内で、仮設住宅・みなし仮設住宅に暮らす人は、10月31日現在、3600人です。シリーズでお伝えしている「仮設住宅は今」。64回目は、津波で犠牲になった長男を含む消防団員を供養するため、小さな社を建てた陸前高田市の女性、その心の軌跡を追いました。

 陸前高田市内の災害公営住宅や仮設住宅などを訪問し、住民の話を聴く傾聴ボランティアの講習会です。

「私は石川はつ子です。はっちゃんと呼んでほしいです」

 石川はつ子さん(70)は、およそ3年前から、悩みや寂しさを抱える人達に寄り添うこの活動に参加しています。石川さんは、津波で当時82歳の母親と60歳の弟、そして消防団で津波発生当時、避難誘導をしていた36歳の長男を亡くしました。

「家族の中でポツンと、いなくなった人のことを感じると、まだまだ心の中は苦しい。それで、負けていられないと思って傾聴活動をやって。私の気持ちもなごむし、良かったなと」
社には長男と仲間の消防団員の名前が刻まれている

消防団の屯所跡地に慰霊の社



石川さんは、高田町で家族で営んでいた左官業の事務所、理容室、そして自宅を津波で失いました。新しい住まいは来年3月、以前の自宅近くの土地がかさ上げして引き渡された後、再建する予定です。

 一方、住宅地向かいの道路脇には、石川さんが建てた真新しい社があります。

(リポート)
「ここは消防団の屯所跡地で、震災の避難誘導中、11人の団員が犠牲になりました」

 11人の中には、石川さんの長男も含まれていて、石川さん夫婦は私費で、この社を慰霊のために建てました。

「石川恭隆は私の長男です。皆と一緒に活動して亡くなったので、恭隆もここに居たいかなという気持ち。今、ここに立つ思い?皆、喜んでくれるかなあと思って、それがちょっと嬉しい。この名前を見ると顔が浮かんでくる佐々木敏行君、熊谷順一郎さん」
再建する自宅から社が見える 「通って花をあげたい」と石川はつ子さん

長男と消防団員を供養する日々



 石川さんが今、夫と暮らす中和野仮設団地です。3年前の取材の際は、仮設脇に農園がありました。今は農園も無くなり、仮設に住んでいた仲間は自宅を再建して引っ越しました。

「(以前の住民に)町で会うと、『あの時、御世話になった』と。やった甲斐があった」

(石川さん)
「どんな暮らしをしたい?家を建てる所から(社が)見えるので、通って、皆さんに声を掛けたり、花をあげたりして暮らしていけたら。(社を)『作ったからお参りに来てね』と言うと『行くよ行くよ』と。建てた甲斐があった。一つの喜びで、私の力にもなって嬉しい」

 石川さんは、家族を失った人達と共に、亡き御霊を供養し続けます。
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