X 
IBC岩手放送ホームページでは、広告・番組情報配信、閲覧履歴解析等のためにクッキーを使用しています。このお知らせを閉じるか閲覧を継続することで、クッキーの使用をご承認いただいたものとします。オプトアウトや詳細についてはIBC岩手放送「サイト規定」をご覧ください。

IBC岩手放送

 
震災発生から間もなく7年。今、被災地が抱える大きな課題の1つが水産業を柱とした産業振興いわゆる生業(なりわい)の再生です。そんな中、宮古の新たな名物として期待されている旬の魚があります。

(宮古市魚市場初売り式)「それでは皆さんお手を拝借 よーっ」

 2018年のスタートを飾る宮古市魚市場の初売り式です。

(宮古市 山本正徳市長)
「昨年は水揚げ量が低迷し、市の経済に与える影響は非常に大きい。基幹産業である水産業を振興して参りたい」

 三陸で「魚が獲れなくなった」と言われる昨今、今年こそは大漁と、関係者が浜からの復興を誓いました。

 終盤を迎えたサケやイワシなどが入札されたこの日。宮古で今最も注目を集める魚も水揚げされていました。それが…「マダラ」です。

(買受人)
「(宮古のマダラは)評価が高い。モノが良い、鮮度が良い」
(宮古漁協 大井誠治組合長)
「サンマやサケばかりに頼っては良くないので、新しい漁業を育てる意味で大いに期待できると思います。」
増加した稚魚が成長して漁獲量が増えたと分析

震災後に水揚げ1万トンを突破


宮古の水産業復興のカギと言われているマダラ。期待を集める理由はこのところの水揚げ量の推移にあります。主に東北地方より北の海に生息するマダラ。サケやサンマのように回遊はせず3、4年で60センチに成長します。県内では例年5000トン前後の水揚げでしたが2010年に1万トンを突破。震災後も高い水準が続いています。

 釜石市にある県の水産技術センターです。水産技術センターではこのところのマダラの大漁の要因は稚魚の増加と関連があると分析していて稚魚が成長した震災以降に岩手での漁獲が増えたと見ています。

(県水産技術センター 横澤祐司漁業資源部長)
「震災前の平成20(2008)年の時にゼロ歳のマダラの資源(稚魚)の加入が認められる、近年だと平成27(2015)年にもゼロ歳の漁獲が認められる」
市場や関係者が一体となって鮮度保持・衛生管理に取り組む

宮古はマダラの水揚げ6年連続全国一


岩手県内のマダラの水揚げのうちおよそ9割がここ、宮古市魚市場に集中しています。おととしこそ北海道・釧路港に首位の座を明け渡したものの2010年からは6年連続で全国の漁港の中でナンバーワンの水揚げを誇りました。

(リポート)
「宮古のマダラは多くは発泡スチロールのケースに入れて水揚げされます。地元の人は箱タラと呼んでいます。1匹1匹分けて氷を敷き詰めた箱に入れることで魚を傷つけず、鮮度を維持する効果があります。」

 宮古にマダラがこぞって水揚げされる最大の要因は鮮度の良さです。宮古市魚市場では県内では珍しい午前と午後の1日2回の入札を行っていて水揚げから時間を置かず消費地へ送ることができます。また2006年には全国で初となる「優良衛生品質管理市場」に認定。職員、買受人、関連業者らが一体となって厳しい衛生管理に努めています。

 さらに去年には従来の倍となる広さに施設を拡張。電子入札も始めていて取引時間の短縮を進めています。

(宮古漁協 坂下尚司市場販売部長)
「(一大加工地である)宮城県石巻市への出荷もあるが、高鮮度を維持して日戻りのマダラを翌日、東京方面などに出荷できる、敏速に、出荷できるのもメリットです」
初の「真鱈まつり」も開催。地元の期待が高まる

宮古を「マダラのまち」に


宮古をマダラのまちとして売り出そう─。取り組みの輪も広がっています。去年の12月にはマダラ料理のレシピコンテストでグランプリを獲得した3品の試食会が行われました。家庭料理部門ではメカブあんかけ、飲食店部門ではユッケ丼ファストフード部門ではマフィンとそれぞれマダラをメインに趣向を凝らした料理が並びます。

(出席者)
「宮古がマダラの水揚げで全国有数の港と言うことは余り知られていないと思うので、これを契機に宮古のマダラを広げていければと思う。」
「マダラと言うとあまりメインにならなかった魚だが、これを機会にメインになっても良い味が出ているので、評価できると思う。」

 1月28日には宮古で初となる「真鱈まつり」も開催されることになっています。県の水産技術センターによりますと岩手沿岸でのマダラは資源量が少なくなっていて楽観視できないと言うことですが軒並み不漁となっているサケやサンマ、スルメイカなど主力の魚種に比べると良い状況に変わりはありません。今後は加工、流通を加えた宮古の産業全体の底上げを図る役割がこのマダラに掛かっています。
×