IBC岩手放送

 
津波で被災した岩手県大船渡市のJR大船渡駅周辺に複合商業施設がオープンして半年を迎えます。震災から6年半が経過した街で、商業の再生は順調に進んでいるのか。その取り組みと現状です。

 「当地を末永くにぎわう街にしていくことを誓い、ここに大船渡駅周辺地区の第2期まちびらきを宣言します」

 今年4月JR大船渡駅の周辺地区に「キャッセン大船渡」や「おおふなと夢商店街」といった商業施設がオープンし、大船渡の商業の再生がようやく本格スタートしました。

 「おいしいビール、おいしい料理と楽しい時間を過ごしたいと思います。よろしくお願いします。乾杯」

 9月23日。キャッセン大船渡の広場で盛岡の醸造所とタッグを組んだイベントが行われました。ビールと大船渡の食を味わうこの催しには市内外からおよそ300人が参加し、芝生の上で秋の休日を満喫しました。

(客)
「友だちに誘われたんですけど、とても楽しいです」「天気も恵まれましたし、こういうお祭り毎回やって欲しいなと思って見守りました。わたしもビール大好きなので」

(臂徹さん)
「想像していた以上に盛り上がっていただけて本当に良かったなと思います」

 会場の盛り上がりを笑顔で見つめるのはキャッセン大船渡や周辺地区の運営に携わる、臂徹さんです。

(臂徹さん)
「やっぱり大船渡のまちを再建する中で、元の市街地にみなさんが来る理由というのをまずは作らせていただいて。本当に暇な時に時間を過ごしていただけるようなまちにしていきたいと考えているのでそのきっかけとしていい場が提供できたかなというふうに思ってます」
店舗の集約で、集客はもちろん客層拡大のメリットも

客足は順調 出店者にも手応え


キャッセン大船渡には2つの区画に物販、飲食合わせて30店舗が入居しています。来客数は7月末までのおよそ3か月で8万7150人。1か月平均およそ2万9000人で、客足は順調と言えます。

(鈴木隆也さん)
「おかげさまでお客様の入りも相当数来ていただいてますし、客層もだいぶ広がっています」
 
 仮設店舗での営業を経て、キャッセン大船渡に衣料品店を出店した鈴木隆也さんです。これまでは高価な服を扱うブティックを営んでいましたが、出店を機に、若い女性向けの手ごろな価格の服やアクセサリーなども扱うようになりました。

(鈴木隆也さん)
「非常に波及効果も高いと思いますし、それぞれのお店の強みがあって、それぞれが集客できて、なおかつ一か所に集まってっていうことでのメリットは多く感じています」
被災した街の大規模再生に全国から視察が相次ぐ

「賑わい続ける街」をどう作っていくか


(臂徹さん)
「開店景気も見込んでの数字ですのでまずは滑り出しというところなんですけど飲食店さんたちの総売り上げの目標値に対しての実績値が1.41」

 先月30日、キャッセン大船渡を県内の若手経営者たちが視察しました。被災した街の中心部およそ10ヘクタールで大規模な商業の再編を行ったことが全国から注目され、視察に訪れた人はこれまでに500人を超えます。

(北上市からの参加者)
「震災後に初めて大船渡に来ました。本当にこんなに変わっていると思っていなくて、本当に人が集まりやすいっていうんですかね、歩きやすいいい商店街になっているなという風に思いました」

(釜石市からの参加者)
「本当に参考になりました。まだまだ釜石もそういったまちづくりこれから進めていかなければいけない部分もあるので」

(ビールイベントの客)
「めちゃくちゃきれいだと思いますね。外観もすごく気を使って整備されたんだなって思いますので素晴らしいなと思います。ここを歩いてても楽しいですからね」

(臂徹さん)
「時代の変遷ですとか社会情勢の変化があってもにぎわい続けるまちっていうのをどう作るのが至上命題といいますか、これから長きにわたるまちづくりをする上で押さえておかなければいけない最大のポイントかなと」

 買い物や食事が1か所で楽しめ、広場や川では子どもたちが遊ぶ姿も。以前よりも魅力があると評価された大船渡中心部の商業の再生は、順調な船出と言えそうです。
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