IBC岩手放送

 
復興への羅針盤、「仮設住宅は今」です。今回はこの春、家族7人がそろって暮らせることを楽しみにしている宮古市の女性です。
宮古市中心部、大通で生まれ育った中村美香子さん(43)。以前住んでいた家の近くには、幼いころから親しんだ山口川が流れています。

(中村さん)
「この辺、よく通って遊んだり、下に降りて遊んでいたりした」

海からおよそ500メートル離れた場所にあった、中村さんの店舗兼住宅は、山口川を逆流してきた津波で被災しました。家族は無事でした。

(中村さん)
「次の日、翌々日ぐらいに来た時には、この辺は車が駐車場から随分落ちて重なっていました」
「自分たちのイメージだと、津波が来るといっても10センチ位という、テレビで見る印象。まさかそういう大きい津波が来るとは。備えまでもしていなかった」
「現実とは思えなかった」

中村さんは津波を経験し、何があっても振り返らず逃げること、そして家族と待ち合わせ場所を約束しておくことが大切だと意識が変わりました。

(中村さん)
「振り返ってしまうと、家に忘れ物をしたことに気が付いて戻りたくなる。そうすると間に合わなくなってしまう」
「家族に会えなくなるのはすごく不安をあおる」
中村美香子さん 家族は無事だったが店舗兼住宅は津波で被災

仮設住宅そばに自宅を再建


中村さんが自治会長を務める西公園仮設住宅です。家族は7人。中村さん夫婦のほか、同じ仮設団地には70代の母親、20代の長女夫婦と子ども2人、3世帯が別々の部屋で暮らしています。中村さんは公園のすぐ脇に自宅を再建。入居予定の4月を心待ちにしています。
中村さんが自治会長を務める仮設住宅
(中村さん)
「嬉しい。やっと落ち着いて過ごせる場所ができると思うとワクワクする」「夜になると『お休み』って帰っていくが、これからは皆で『おはよう』も『お休み』も自由に家の中で言えることがすごく楽しみ」

全戸数のおよそ半数にあたる、11世帯が暮らす仮設住宅。中には去年8月の台風10号で被災した、宮古市新里地区の方もいるといいます。中村さんは自宅を再建しても仮設の住民と、これまで通り交流するつもりです。

(中村さん)
「独居の高齢の方が多かったこともあって皆さん、家族よりも密な関係を、ここに来て新しい時間の中で作って今に至っている。新しい家族ができたような感じで過ごしている」「今のうちは見守りをしていきたい。仮設が終わる時に役目も終わりにしたいと思っている」


震災から6年。家族が同じ場所に帰れる中村家の生活が、この春ようやく始まります。
春からは仮設そばに再建する自宅で3世帯一緒の生活が始まる
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