IBC岩手放送

 
岩手県大船渡市で学校の校庭に建設された仮設住宅の撤去が進んでいます。響き渡る元気な声。大船渡市内はあと2校で全ての小中学校の校庭が使えるようになります。

(児童代表)「きょうは小学校に入ってから(自分たちの校庭で)初めての運動会です。みなさん楽しみましょう」

 去年の12月21日、大船渡市大船渡町の大船渡北小学校の校庭で6年生21人が念願のミニ運動会を行いました。親子レクリエーションとして企画されたもので、平日にもかかわらず保護者およそ30人が参加して、リレーや綱引き、あめ玉さがしなどを楽しみました。

(児童)「楽しかったです」「今までここで運動会をやったことはなかったので、親子で一緒にたくさんの競技をやれて楽しかったです」
(山口学・学年PTA会長)「北小のグラウンドは広いなと。100メートルがこんなに長いかなと思いましてね。楽しくできたのでとてもいい思い出になったんじゃないかなと思います」

 大船渡北小では震災後、避難者の受け入れや仮設住宅の建設によって校庭を使うことができませんでした。建設された仮設住宅は88戸。去年7月から本格的な撤去が始まり、グラウンドの復旧工事を経て、先月(12月)校庭が児童たちに返されました。
平地が少なく、校庭への仮設住宅建設は「苦渋の決断」だった

校庭に建設した仮設住宅は700戸 徐々に災害公営住宅への転居が進む


 大船渡市は東日本大震災を受け、公有地と民有地合わせて37か所に1801戸の仮設住宅を整備しました。平らな土地が少なく、市は公園などの市有地や民間から借り上げた土地に仮設住宅の建設を計画しましたが…。

(戸田公明大船渡市長)「それでも足らない分があったんですね。それが小中学校の校庭でありまして約700戸あまり、これを作ったところであります。非常に苦渋の決断でありました」

 市は「住まいの再建」を最重要課題に位置づけ、県営と市営合わせて27か所801戸の災害公営住宅を去年までに完成させました。被災者の転居により空き室の増えた仮設住宅は集約され、小中学校の校庭にあった仮設住宅の撤去が進みました。去年8月の綾里中学校を皮切りに市内6つの小中学校から仮設住宅が撤去され、校庭には子どもたちが駆け回る姿が戻ってきました。
大船渡中学校でも仮設住宅の撤去が始まった

「校庭が戻ったら広いグラウンドをみんなで楽しみたい」


 現在、仮設住宅が残っているのは大船渡中学校と第一中学校の2校。合わせて242戸の仮設住宅が整備されましたが、ほとんどの住民は住まいの再建や災害公営住宅への引っ越しを終えました。大船渡中学校では去年の暮れから内装の取り外しが始まりました。3月いっぱいまで仮設住宅の撤去が続き、今年7月には校庭の整備も終わる見込みです。建ち並ぶ仮設住宅を見つめるのは大船渡中学校の金賢治校長です。

(大船渡中 金賢治校長)「これもあと来年の7月撤去されるからね。それを生徒たちは本当に心待ちにしているんじゃないかなと思いますね。まあ、わたしたちもそうですけどね」

 金校長は校庭が使えない中で部活動などに取り組んできた生徒たちを慮っていました。

(金 校長)「いやー、もう楽しみですね。何かのイベントをやったりとかですね、残念ながら運動会は来年この校庭ではできそうにないですけど、広いグラウンドで何らかのイベントをみんなで楽しみたいなとそんな風に思っています」
震災直後に入学した児童は今春卒業。最後に「校庭」を見ることができた

震災から間もなく6年 この夏には全ての小中学校に校庭が戻ってくる


 大船渡北小のミニ運動会。震災発生の直後に入学した児童は間もなく卒業。小学校生活の終わりになってようやく、本来の校庭の姿を見ることができました。

(6年生)「やっぱり津波で家が無くなって、仕方がないって気持ちもありましたけど、自分の校庭で運動会をしたいとはちょっと思ってました」
(今野隆弘校長)「本当に笑顔いっぱいでお父さん、お母さん方も校庭いっぱいに笑い声が響いていたのですごくうれしいなと思いました」

 東日本大震災の発生から3月で6年。住まいの再建が進み、子どもたちにとっての当たり前の環境が、ようやく取り戻せつつあります。大船渡市内の全ての小中学校の校庭が自由に使えるようになるのは、今年の夏です。
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