IBC岩手放送

 
 東日本大震災の翌年2012年から「仮設住宅は今」と題して被災した岩手県沿岸各地の仮設住宅の現状をお伝えしています。その46回目。岩手県山田町の仮設団地で会報を発行し、住民同士の絆を保ち続ける自治会長の男性を訪ねました。
岩手県山田町山田の仮設団地。夫婦で暮らす、自治会長の川端信作さん(79)です。季節ごとのまつりや懇親会など、自治会活動が盛んな仮設団地です。

(川端信作さん)「私達はこの大震災で地獄のどん底を体験してきた。これ以上の不幸は無い。幸せはそのような逆境を乗り越えて楽しく、明るくやっていくことが幸せだろう、ということを確認しながら頑張っているんです」

 元県立高校教諭の川端さんは得意のパソコンを活かし、入居した2011年9月から自治会活動を記録。会報で住民に知らせています。
会報は、発行を重ねて90号に

自治会の会報「せきやばし」の由来は・・・


(神山アナ)「会報の名前の由来となったのが、仮設住宅のすぐそばにあるこちらの橋です」
(川端さん)「すぐそばに関谷橋がある。絆をつなぐ、心をつなぐ、そういう考えから橋の名前で会報『せきやばし』と」

 月に1、2回配布する会報はすでに90号。住民にも好評です。

(住民)「(Q川端さんはどんな人?)皆さんに良くて、ここの仮設は最高」「会報、その度に細かく書いて下さって」
絆をつなぐ心をつなぐ「関谷橋」

自治会報は、仮設住宅で「生きていた証」


川端さんの自宅は、津波で1階が破壊されました。岩手県内にいる40代の3姉妹はすでに独立しています。家族は無事でした。同じ場所に再建した自宅は取材前日に引き渡されたばかりです。

(川端さん)「正月は孫たちにぜひ、来てもらおうかと。そして最初の新しい家の夜を過ごしたい」

 川端さんは12月下旬に引っ越しを予定していますが、仮設に残る住民のことが気がかりです。

(川端さん)「5年間、皆さんと共に様々な行事をした。心と心が通い合う、絆が深まる、簡単に私達夫婦は去っていけない。自宅には移るが、そこから通いながらでも、最後、皆で発展的自治会の解散を目指したい」
×