津波でも途切れることのなかった祭りには住民の復興への熱い思いがこめられていました。

今月3日と4日に開かれた大船渡市の盛町五年祭。大名行列やかわいらしい稚児行列、そして五穀豊穣を祈る飾り付けをした馬とともにおよそ500人が商店街を練り歩きました。町内に二台しかない「館山車」も登場し、沿道には多くの人がつめかけました。
天照御祖神社の式年大祭である盛町五年祭は、江戸時代中期にはじまったおよそ300年続くまつりです。前回は震災の前の年、2010年の開催でした。

東日本大震災による津波で祭りの道具の多くが失われてしまいました。それでも、住民たちは伝統をつなぐことをあきらめませんでした。

先月4月29日、盛町の田茂山地区で権現様の衣装をつけての総練習が行われていました。
およそ100年ぶりに新調したばかりだった山車を津波で失った「下町組」。大阪・岸和田市のだんじり祭りの団体などから支援を受け、山車の再建にこぎつけました。
「この山車はかなり歴史が古いものですから、我々の段階でいかに震災で流失したとしても、やはり継承していかなければならないと」武者人形の飾り付けを指揮する下町組の猪股省一さんは、被災した人たちに元気を取り戻してもらいたいと、新たな館山車に「昇り竜」を飾りました。

 祭り本番、下町組の人たちが真新しい山車を引く姿は誇らしげに見えました。

商店街に高さ10メートルの四本柱の館が建てられると、見守っていた人たちから笑顔がこぼれました。

まつり初日の反省会で下町組の人たちは、満足げな表情を浮かべていました。
まつりを成功させようと結束して取り組んだ住民たち。下町組の長老は言います。
「お祭りはですね、地域にとってまちづくりです。地域にまとまりを生み、人間関係も深まってくるというところにお祭りの意味があります。」
大船渡市は9月に三陸町の「浦浜五年祭」、来年の春には大船渡町の「加茂神社五年祭」と各地域で大事な祭りが続きます。それぞれの住民が復興へ弾みをつける大切な存在として、祭りの価値はより高まっています。
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