自身も被災しながら 三鉄の運転士という夢の入口に立った若者。

4月6日の北リアス線全線開通。前日の南リアス線と合わせ、三陸鉄道は完全復活を果たしました。
「鉄道がある」ー。その喜びを、沿線の住民はかみしめました。それぞれの駅では運転の再開を祝うセレモニーが開かれました。釜石駅でその準備にあたる男性がいました。
松本祐太さん、18歳。まだ表情にあどけなさの残る彼は、今月、三鉄に入社したばかりの新人鉄道マンです。
「お客様から愛されるような鉄道人になりたい」

松本さんが生まれ育ったのは、津波の被害が大きかった釜石市両石町。

自宅は跡形もなく流されました。

たくさんのものを失い、避難所生活をしていた松本さんに大きな力をくれたのは、震災の発生からわずか5日後に一部区間の運転を再開した「三陸鉄道」の姿でした。
「線路を歩いていた人を乗せているのを見て、自分もその時に勇気をもらったりしたので」
釜石東中時代に三鉄で職場体験をしたことがありました。地域の人と会話しながら、切符をきりました。その時抱いた鉄道マンへの憧れ、そして震災後にもらった勇気。「三鉄に入りたい―」そう強く思うようになりました。
「地域の足となって助けている部分を見て、自分は好きな鉄道で、 被災した人の復興を手助けしたいと思って」
この春、高校を卒業し松本さんは運転士候補生として三陸鉄道の一員になることができました。

そして迎えた入社式、夢から現実へ・・・身が引き締まります。

「緊張しているが、新社会人としてマナーとかをしっかり覚えて、立派な運転士になれるよう頑張っていきたい」
入社後の初仕事は南リアス線運転再開に備えての避難訓練でした。
 きびきび動く先輩に比べ、松本さんは…「すごいですね、人が」右往左往してばかり。それでも先輩たちの背中を見て鉄道マンとしての自覚が出てきました。「機敏に誘導している先輩方を見て、自分もこれからどんどんそういうふうに乗客の命を最優先に動けるように頑張っていきたいなと思いました」
「第二の開業」といえる年に入社した松本さん。熱烈な歓迎を目の当たりにし、三鉄への期待を肌で感じて決意を新たにしました。「こんな人が集まる駅を見れて、びっくりしたし たくさん使ってもらえるような鉄道にしていけたらいいなと思う」
困難と向き合った3年間の高校生活を経て憧れの三鉄に入社した松本さん。免許を取得し運転士となるにはまだまだ経験が必要ですが、地元の復興に貢献できる鉄道マンになろうと強い心で歩み始めました。
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