釜石にまちづくりを考える若者のグループがあります。その活動と参加している男性を取材しました。

夜のコミュニティースペースに活発な議論の声が響きます。釜石市内の経営者や復興支援にやってきた人、そして、Uターンの地元出身者が集まるまちづくりのグループ「NEXT釜石」です。この日は仮設住宅でのイベントや視察ツアーへの対応について議論が続きましたが、根っこの部分でつながるテーマがあります。
「(釜石は)津波とか地震が無くても、下降していった町。人口も流出したりしてます。それを少しでも減らさないと、各業者会社、個人もこの町で幸せに生きていけない」(青木会長)
「鉄の町」としてかつては9万人以上が暮らしていた釜石。この10年で人口は4万人を割り込み、65歳以上の高齢化率は3割を突破しています。地域の未来像を描けないまま強まっていく閉塞感、それが釜石の現実でした。

若者たちが目指すもの、それは活気溢れる「次の釜石」を作り上げることです。

議論に加わる一人、菊地広隆さん、30歳です。昭和20年創業、和菓子製造の小島製菓。菊地さんはその3代目です。釜石出身の菊地さん、盛岡の高校への進学以降地元を離れていました。今年6月まではカナダのトロントでIT関係の企業に人材を派遣する仕事をしていました。
「これからは現地の、地元の人たちが自分自身で立ち上がっていかなければならないというのを感じた。釜石に戻って自分で雇用を生めるようなことをして、地元をどんどんいいものにしていきたいと強く感じましたね。それが帰ってくるきっかけになりましたね」

学生時代に感じられなかった街の活気を生み出そうと「NEXT釜石」の理想に共感し積極的に参加しています。

新しい釜石を作りたいという菊地さんの理想は家業の和菓子作りにも表れています。
菊地さんが考案し、年明けの発売を目指しているこの饅頭。市内の地酒の酒粕を使った酒饅頭です。
和菓子職人としてはまだまだ駆け出し、先輩職人のアドバイスを受けて生地にモチモチした米粉を使いました。
 この日は出来上がった試作品を手に酒粕を提供してくれた酒蔵へ。さっそく饅頭を試食してもらいました。
「結構皮が厚いし。酒饅頭のイメージじゃないっていうか、すごくモチモチ、美味しいです。」(新里社長)
釜石を離れていたからこそわかる、地元のモノの良さ。菊地さんのアイディアは酒蔵の社長から好評価をもらいました。
「(釜石は)共同で何かをやるのが苦手の地域ということも有りますが、こういうをきっかけにお互いのものを使いあうことが始まれば、(地域の)一つの芯ができる」

「外から帰ってきた人の方が思いっきりやりやすい環境があったり、そういう意味では、非常に発展性があるという気がする」(新里社長)

「NEXT釜石」は仮設住宅でのイベントに参加しました。
振舞われたのは菊地さんの酒饅頭に、地元の魚介を使ったブイヤベース。このブイヤベースも震災後釜石に移住したメンバーのアイディアで、すでにレトルトの商品として販売もされています。

「定置網には色んな魚がかかるんですけど、中には捨てられる魚もあって、見せてもらったら新鮮だし、プリプリで、すぐ思いついたんですよねブイヤベースに使える材料だと」

賑わいに満ちた「次の釜石」へ…。
地域資源と工夫で生まれた二つの味覚は地域の可能性を感じさせるものでした。

「未来があっていいんじゃないですが、明るい感じで。すごく美味しかったです」(住民の方)

「お菓子で、地域のみんなを笑顔にしていくのが第一。釜石の今までの形を大事にして新しいものも取り入れて、ドンドン盛上げていきたい」(菊地さん)
釜石の「これから」を語る「NEXT釜石」。 現場は違えど釜石を思うハートは一つ、知恵と力を結集する先に未来の賑わいがあります。
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